ノンホモって何?

ノンホモ…。牛飼いの家の長男として生まれて、16歳になるまでこの言葉を知りませんでした。

しかも30を過ぎて家業を継ぐことを決めるまで、言葉の意味を知りませんでした…。

私が知らない・解らない言葉を一般の消費者が果たして知っているだろうか?(このHPにたどり着いた方ならご存知のような気が……。)というわけで今回はノンホモについてご説明したいと思います。
左の写真はご存知『いぬい牛乳』のパッケージの一部です。

ノンホモ=ノンホモジナイズの略語で、

 ◆ノン     : 〜ではない
 ◆ホモジナイズ : 均質化

というところから、無均質という意味になります。
では無均質とは何か?という話になりますが、ズバリ 牛乳中に含まれる乳脂肪分無均質というわけです。

となると、何故ノンホモをわざわざパッケージに表記するのか?それは他社の(超高温殺菌)牛乳のほとんどが ホモジナイズ=乳脂肪分の均質化 された牛乳だからなのです。
さて、それでは何故 牛乳中の乳脂肪分に対して均質化(専門用語で 《ホモをかける》 と言います)をするのか、あるいはしないのか という疑問が出てくると思います。

その理由として、まず製造工程の違いが挙げられます。牛乳の沸点は100.2℃(成分の大半は水)です。でも殺菌温度が120℃……。本当にやれば牛乳は気体になってしまいます。

じゃあどうするのか?というと、高い山で水を沸かすと100℃よりも低い温度で沸騰します。つまり気圧が低くなると沸点も下がる……ということは気圧を高くすることで沸点を上げることができます。牛乳に高い気圧(100〜200気圧)をかけて攪拌しながら殺菌する…このときついでに牛乳中の脂肪を細かくしているのです。しかし低温殺菌ではそんな工程はありません。

次に均質化をすることでのメリットもあるからです。もちろんデメリットもありますが。

◆メリット :
脂肪球を細分化するため吸収と消化がよくなる。風味が均一になる。
◆デメリット:
脂肪球の表面積が増えるため空気に触れる割合が高くなり腐敗しやすくなる。

以上でノンホモのレポートを終了します。